浜松市のPFAS問題 新たに地下水10地点で指針値超え

 浜松市の井戸水や水路から、発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が国の暫定指針値を超えて検出されている問題で、中野祐介市長は25日の市長定例記者会見で、市内41地点の井戸水を追加調査した結果、新たに10地点で暫定指針値を超過したと明らかにした。地下水に広く浸透している状況が浮き彫りになった。
 過去の調査で検出された航空自衛隊浜松基地や西区の伊佐地川、新川周辺の住民を対象に、井戸水の水質検査の希望を募り、8月以降に調査した。国の暫定指針値1リットル当たり50ナノグラムに対して、10地点が170ナノグラム~58ナノグラムと超過していた。市は、暫定指針値を超えた井戸の所有者に飲用を控えるよう呼びかけている。
 5月の前回調査は市が15地点を抽出して水質検査をし、このうち4地点で同220~140ナノグラムが検出されていた。中野祐介市長は「基地に近い場所で数値が高い傾向があり、地域での広がりも見えてきた。住民の不安解消のためにも調査を続ける」と述べた。
 市によると、防衛省と同基地の担当者が14日に市環境部を訪れ、基地内の井戸水の水質調査に着手したと報告があったという。発生源の調査方法は今後協議する。
 市は同基地に対し、基地の排水の状況と基地内でPFASを含む泡消火器が使われていた時期を説明するよう新たに要望した。

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