アジア大会、柔道男子73キロ級の橋本が銀 静岡県勢で今大会初のメダル
杭州アジア大会第3日の25日、柔道男子73キロ級でパリ五輪代表に内定している橋本壮市(パーク24、浜松市中区出身)は、決勝で世界選手権(5月、ドーハ)3位のムロジョン・ユルドシェフ(ウズベキスタン)に敗れて銀メダルだった。今大会の静岡県勢メダル第1号。
その他の静岡県勢では、ライフル射撃の男子25メートルラピッドファイアピストルに出場したリオデジャネイロ五輪代表の森栄太(自衛隊、浜松工高出)と市川広義(警視庁、修善寺工高出)が、ともに決勝進出を逃した。平野美宇(木下グループ、沼津市出身)が出場した卓球女子団体は準決勝で韓国に3―1で競り勝ち、中国との決勝に進んだ。
一瞬の隙突かれ「悔しい」
【杭州=静岡新聞社臨時支局・山本一真】パリ五輪代表に内定している男子73キロ級の橋本(パーク24、浜松市中区出身)は一瞬の隙が命取りになった。ユルドシェフ(ウズベキスタン)との世界選手権銅メダリスト対決になった決勝。残り1分7秒まで防戦一方の相手が初めて繰り出した肩車の受けを見誤った。痛恨の技あり。そのまま攻めきれずアジアの畳に沈み「悔しいの一言」と声を絞り出した。
準決勝までの3試合は、代名詞でもある片襟からの変則袖釣り込み腰で完勝。決勝も序盤から前に出て主導権は握っていた。だが、なかなか審判から相手の「指導」を引き出せない。「自分から攻めなければ」というわずかな焦りが、勝負どころで判断を狂わせた。
最初の肩車を難なくさばいた次の瞬間、めくり上げようと体を寄せたところに2段目を合わせられた。形勢は有利だっただけに、「ワンチャンスを逃さなかったかが勝負を分けた」と橋本。日本男子の鈴木監督は「2段肩車があるのは分かっていたのに、誘いに乗ってしまった。反応を探るとか寝技にいく判断がほしかった」と指摘した。
男子の五輪早期内定組では唯一の参戦。総合国際大会は初めてで、選手村での調整など来夏への予行演習としては十分な経験を積めている。「五輪に近い雰囲気を感じられている」と橋本。杭州での借りはパリで返す。