大鉄「やっとここまで」 家山―川根温泉笹間渡 10月1日再開へSL試運転

 大井川鉄道(本社・島田市)は26日、大井川本線家山―川根温泉笹間渡間の運転再開を控え、蒸気機関車(SL)の試運転を実施した。

家山―川根温泉笹間渡間を試運転した大井川鉄道の蒸気機関車(SL)=26日午後1時ごろ、島田市川根町
家山―川根温泉笹間渡間を試運転した大井川鉄道の蒸気機関車(SL)=26日午後1時ごろ、島田市川根町

 同区間は昨年9月の台風15号の影響で倒木などがあったが、比較的被害が小規模で、大鉄が自ら復旧させた。家山駅(同市川根町家山)を出発したSLは大井川第一橋梁(きょうりょう)を通過し、川根温泉笹間渡駅(同町笹間渡)に到着した。汽笛を鳴らしながらSLが同区間を往復すると、立ち止まって手を振ったり、写真を撮ったりする人の姿も見られた。SL運行に先立ち、21日は普通電車の試運転も実施した。
 蒸気機関士の鈴木優さん(36)は「ここまで約1年ぶりに来ることができて感慨深い。途中にある抜里駅周辺の人々にも喜んでもらえたらうれしい」と話した。
 大鉄は全線で土砂流出などの被害を受け、家山ー千頭間で運休が続いていた。家山ー川根温泉笹間渡間の2・9キロは10月1日に約1年ぶりに運転を再開する。県庁では公共交通としてのあり方を協議する検討会が開かれているが、全線復旧のめどは立っていない。
 (島田支局・寺田将人)

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