委員から「薄暗くて寂しい」 静岡・紺屋町地下街の再整備難航 所有権分散、合意に時間

 28日に開かれた静岡市議会都市建設委員会で、葵区紺屋町の地下スペース「紺屋町準地下街」について、委員から「薄暗くて寂しい」と再整備を求める意見が出た。市の高田千央市街地整備課長は、地下店舗が入るビル群が長屋のようにつながった構造の上、店舗ごとに所有権が分かれているため、再整備に向けた合意形成には時間がかかる事情を説明した。

紺屋町準地下街の構造
紺屋町準地下街の構造

 同課によると、地下街は1964~72年、民間ビルの建設に合わせて整備された。80年に地下街(当時静岡駅前ゴールデン街)でガス爆発事故が発生し、大規模改修工事が行われたことをきっかけに地下道部分の管理が市に移転された経緯がある。
 高田課長は、長屋形式で建てられたビルは壁を共有しているため、1棟のみの建て替えが難しい上、道路部分を改修するとしても各ビル所有者の合意が必要と説明した。名古屋など道路や店舗スペースが一体管理されている一般的な地下街との違いを強調した。
 一方で、市は2022年冬から23年夏にかけてビル所有者に意向調査するなど地下街の今後のあり方の検討を始めていて、高田課長は「これからも勉強会などを開催し、方針の検討を進めたい」と述べた。
 ビルは建設から50年以上が経過し、老朽化が進んでいる上、地下街は空き店舗も目立つ。質問した高木強氏(自民党市議団)は「静岡駅から中心街に向かう人の多くが通る場所にもかかわらず、奥に行くほどくらぼったくなる。ぜひ関係者と調整し、早く再整備してほしい」と要望した。
 (政治部・尾原崇也)

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