宇宙食目指しミカンゼリー開発 増田さん(静大付属静岡中1)ら CF募る

 静岡大付属静岡中1年の増田結桜[ゆら]さん(12)=静岡市清水区=と県内の大学生らでつくる「チームゆら」が、県産食材を生かした宇宙食として、ミカンゼリーを開発するプロジェクトを本格化させている。2026年度までに宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「宇宙日本食」認証取得を目指し、提出するサンプルの完成を急ぐ。開発資金をクラウドファンディング(CF)で募り、増田さんは「チームを結成して活動の幅が広がってきた。皆さんの応援で夢を実現したい」と意気込む。

ミカンゼリーのサンプル作成のため、味や香りを評価してもらう増田結桜さん(左)=8月下旬、静岡市清水区の「コラボレーションスペースTakt」
ミカンゼリーのサンプル作成のため、味や香りを評価してもらう増田結桜さん(左)=8月下旬、静岡市清水区の「コラボレーションスペースTakt」

 「試食への協力、お願いします」。8月下旬、同区の交流拠点「コラボレーションスペースTakt」で、ミカンゼリーの試食会が開かれた。使用する甘味料が異なる2種類のゼリーについて、香りや色、風味などを同施設の利用者に採点してもらった。増田さんは「材料や凝固剤について研究し、改良を繰り返してきた。10月中にはサンプルを完成させたい」と計画を示す。
 チームゆらは昨年11月に結成した。増田さんは本を通じて宇宙食開発の仕事に関心を持ち、2年ほど前から試作を開始。増田さんの本気度に共感した大学生がチームメンバーに加わり、開発と並行してホームページ作成や企業訪問、広報活動などを進めてきた。
 JAXAに提出するサンプルが宇宙日本食として適性があると評価されれば、1次審査の書類作成に着手する。その後も認証取得までには、いくつものステップを踏む必要がある。現在、チームゆらを任意団体から一般社団法人にする作業も進めている。
 CFは期間を定めずに実施し、約500万円の調達が目標。集まった寄付金は材料費や実験費、検査費などに活用する。増田さんは「お小遣いを寄付してくれた小学生もいてうれしかった。皆さんの応援を励みに頑張る」と話す。プロジェクトへの支援はCFサイト「シンカブル」で「チームゆら」と検索する。
 (生活報道部・大滝麻衣)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞