卓球 男子ダブルス準々決勝へ、女子平野は敗退 杭州アジア大会第7日

男子ダブルス3回戦 韓国組を破った松下(手前)、及川組=中国・杭州(静岡新聞社臨時支局・二神亨) 杭州アジア大会第7日の29日、卓球男子ダブルス3回戦で松下大星(Tリーグ静岡)・及川瑞基(木下グループ)組が、3-0で韓国ペアに完勝して準々決勝に進んだ。女子シングルスの平野美宇(木下グループ、沼津市出身)は2-4で北朝鮮選手に敗れ8強入りを逃した。長崎美柚(木下グループ)と組んだ女子ダブルスも2回戦で世界ランク2位の陳夢・王芸迪(中国)組に敗れた。
▽男子シングルス3回戦
張本智和(智和企画) 4(11―9 12―10 11―8 5―11 10―12 12―10)2 No・アラミヤン(イラン)
黄鎮廷(香港) 4(11―7 13―11 11―13 5―11 3―11 11―5 11―7)3 吉村真晴(TEAM MAHARU)
 ▽男子ダブルス3回戦
松下大星(Tリーグ静岡) 及川瑞基(木下グループ) 3(11―7 11―8 11―8)0 安宰賢 パク・ガンヒョン(韓国)
 ▽女子シングルス3回戦
早田ひな (日本生命) 4(11―4 11―2 11―8 11―8)0 ゾウ(シンガポール)
ピョン・ソンギョン(北朝鮮) 4(11―7 7―11 12―10 4―11 11―5 11―8)2 平野美宇(木下グループ)
 ▽女子ダブルス2回戦
張本美和(木下アカデミー) 木原美悠(木下グループ) 3(11―3 11―5 11―8)0 アクラ チタレ(インド)
陳夢 王芸迪(中国) 3(11―8 11―3 11―7)0 平野美宇 長崎美柚(木下グループ)
男子ダブルス松下(Tリーグ静岡)変則スタイルの強み発揮
女子シングルス3回戦 北朝鮮選手に敗れた平野美宇=中国・杭州(静岡新聞社臨時支局・二神亨)  【杭州=静岡新聞社臨時支局・山本一真】3ゲームで一度もリードを許さずメダルに王手をかけた。男子ダブルスの松下(Tリーグ静岡)・及川(木下グループ)組は韓国ペアにストレート勝ち。ペン(松下)とシェーク(及川)の変則スタイルの強みを随所に発揮し、初代表の松下は「国際大会で知られていないアドバンテージを生かせた」と振り返った。
 松下が繊細なボールタッチで好機をつくり、及川が仕留めるのが基本戦術。その上で「ペンドラの星」と称される松下の独特な球筋のバックハンドが効いた。最大の勝負どころは第2ゲーム。7-1から6連続失点したが、及川がレシーブを立て直し、9-7から松下がバックで打ち抜く。そのまま競り勝ち大勢を決定付けた。
 今季はTリーグ静岡に加入。監督兼任の森薗ら代表クラスと打ち合って全体的にレベルアップした。バックハンドもその一つで、国際舞台でも「通用する」との手応えがある。
 前日には相手コーチがペンハンドで球出しするなど、シェーク全盛期にあってペンの希少性は大きな武器。準々決勝も中国ペアと当たらない組み合わせにも恵まれた状況に、「チャンスはある」と貪欲にメダルを狙う。女子シングルス3回戦 シンガポール選手を破った早田ひな=中国・杭州(静岡新聞社臨時支局・二神亨)
平野 伏兵に屈しシングルス16強 五輪選考、伊藤との差わずか
 パリ五輪代表選考レースの大きな鍵を握る女子シングルスで、平野(木下グループ、沼津市出身)が思わぬ伏兵に屈した。近年、国際大会から姿を消していた北朝鮮の同世代に敗れ、16強止まり。今大会不在のライバル伊藤(スターツ、磐田市出身)を「どれだけ突き放せるか」と臨んだ勝負どころで、わずかな上積みにとどまった。
 対戦は過去1度だけ。事前情報がない中、決まったと思ったボールを粘り強く返され終始後手に回った。
 団体決勝で世界ランク2位の陳夢(中国)を追い詰めるなど「向かっていく時は力を発揮できている」。課題は中国勢以外の負けられない状況での精神面。大会を通じ、自国開催の重圧をはねのけ、勝ち続ける王国勢と自身を比較し「このままではだめ」と痛感した。
 選考ポイントは10点を加算し、伊藤と20・5点差で選考会はあと2回。団体出場にとどまった東京五輪を経て、「パリは絶対にシングルスに出たい」と決意する23歳の真価が試される。
 (静岡新聞社臨時支局・山本一真)

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