山下沼津市議 提出資料 市「別の土地契約書」

 沼津市の市有地を駐車場として貸して利益を得たとして、市から利益の返還を求める提訴案を提出されている山下富美子市議(70)は、29日の市議会建設水道委員会に自身の土地と主張する資料を提出した。市は委員会で、山下氏が提出した資料は「別の土地の契約書」などとして、山下氏の土地と証明する文書には当たらないとの認識を示した。=関連記事27面へ

山下市議への提訴案を審査した市議会建設水道委員会=沼津市議会
山下市議への提訴案を審査した市議会建設水道委員会=沼津市議会

 長嶋晃令道路建設課長は、山下氏が提出した契約書と確約書、計算書のうち、契約書と確約書は、市も同様の文書を保管しているとした。ただ、契約書は山下氏の父(故人)が市に売却した別の土地の物と説明。また、確約書は市が問題の土地を山下氏側に払い下げる場合の価格のみを示した物で、最終的に山下氏側から払い下げの申し出はなく、売却していないとした。計算書は市には保管されていないが、「(山下氏側への)説明資料と考えられる」とした。
 山下氏側が、市有地も含めた駐車場部分の舗装を市が行い、市も問題の土地での駐車場運営を認識していたと主張する点について、市は橋の拡幅工事に関する補償工事の一環で舗装したと認めた。ただ、工事車両の通過で路面が削れるのを防ぐためとし、区画を示す白線は市で引いていないとした。
 山下氏は14日の記者会見で、自身の見解が正しいとする「新たな証拠」が見つかったと主張。今回、委員会の求めに応じて資料を提出した。
 (東部総局・尾藤旭)

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