大井川鉄道 復旧、延伸一歩ずつ 1年ぶり運転再開 家山―川根温泉笹間渡間
大井川鉄道(本社・島田市)は1日、昨秋の台風被害で運休していた大井川本線家山ー千頭間22・4キロのうち、同市の家山ー川根温泉笹間渡間2・9キロの運行を再開した。観光客らを乗せた列車が大井川本流を約1年ぶりに渡り、沿線住民が延伸を歓迎した。
本線は昨年9月の台風15号により、全線で土砂流入などの被害を受けた。同市の金谷ー家山間は昨年12月に再開した。今回復旧した区間は比較的被害が小規模で、大鉄が自ら復旧させた。全線39・5キロのうち、約半分に当たる20・0キロまで再開にこぎ着けた。
1日午前、普通電車が大井川第一橋梁(きょうりょう)を通過すると、駆け付けた沿線住民が手を振って出迎えた。乗車した会社員海野真斗さん(23)=同市=は「災害やコロナなど大変な中、2区間だけでも再開してくれてありがたい。久しぶりの区間なので朝から乗りに来た」と話した。
川根本町でキャンプ場などを経営する猪又克弥さん(59)は「再開に感激している。全線復旧に向け、一歩一歩前進してほしい」と声を強め、手作りのプレートを振って応援した。夕から夜にかけては蒸気機関車(SL)の特別運転も実施した。
大鉄は再開に合わせて、より観光路線にシフトしたダイヤ改正を実施。SLを増発する一方、電車の運行本数は減らした。大鉄が運行していた家山ー千頭間の代行バスは10月から、川根本町による町営に切り替わった。県などが公共交通としてのあり方を協議する検討会を進めているが、全線復旧のめどは立っていない。
動 画
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SBSテレビニュース 全線再開へ「大きな一歩」大井川鉄道本線の運転区間、2駅延伸=静岡県・大井川鉄道