陸上女子七種 山崎メダル届かず/サッカー男子4強、松村が決勝PK アジア大会第9日
杭州アジア大会第9日の1日、静岡県勢は、陸上は女子七種競技の山崎有紀(スズキAC)が5616点の5位で、2大会連続の表彰台はならなかった。サッカー男子は2-1で北朝鮮との準々決勝を制し4強入り。松村優太(鹿島、静岡学園高出)、吉田真那斗(鹿屋体大、浜松開誠館高出)が先発し、松村が決勝点を挙げた。
女子七種・山崎 最終種目「800メートル」で猛追も5位
【杭州=静岡新聞社臨時支局・山本一真】アジアでは安定してメダル圏内で戦ってきた女子七種競技の山崎(スズキAC)が思わぬ結果に終わった。5616点の5位。パリ五輪出場を見据え、自身の日本記録更新を狙っていた一戦で力を発揮できず「一番いい状態で臨もうとやってきたので相当悔しい。心を入れ替えてやらなければだめ」と唇をかんだ。
前回ジャカルタ大会、7月のアジア選手権の銅メダリストが終始流れに乗れなかった。第1種目の100メートル障害で自己記録(13秒58)にほど遠い14秒22。出足の悪さを引きずり、初日4種目は出場10人中8位だった。
2日目こそ、やり投げで45メートル27を投げ3位とは69点差。今季、出場選手中2番目の2分14秒41をマークしている800メートルで勝負できる位置まで盛り返し、残り400メートルで飛び出したが、メダルまで96点、タイムにして約7秒届かなかった。
アジア選手権後は大会にほぼ出場せず、冬季のように練習強度を高めたが結果的に試合勘が鈍り、疲労も蓄積した。だが、これも五輪イヤーへの貴重な経験。「試合に出ながら強くなるタイプと再確認した」。今大会で世界ランクポイントを大きく上積みし、パリ五輪につなげる思惑通りにはならなかったが、勝負はここからだ。
【杭州=静岡新聞社臨時支局・大沼雄大】難敵北朝鮮に苦戦を強いられた。日本が3大会ぶりの優勝を目指し迎えた準々決勝。前半は北朝鮮に一方的にペースを握られ、後半は点を取り合う拮抗(きっこう)した展開になったが2―1で勝利を収めた。
1次リーグ、決勝トーナメントの計4試合で無失点と、高い守備力を備え勝ち上がってきた北朝鮮。大岩監督(清水商高出)も「タフでスピードがあり、全員が勤勉なプレーをする」と警戒していた。
開始からそのスピードと勢いに押し込まれた。北朝鮮の応援団が駆け付けたアウェーの雰囲気の中、何度もサイド突破を許し決定機をつくられる。右サイドバックで先発した吉田(鹿屋体育大、浜松開誠館高出)は1対1の局面で体を張り、前半をしのぎきった。
ほぼ攻め手がなかった日本は後半6分、左サイドから前の試合で2得点と活躍した佐藤(ブレーメン)が中央にクロス。ゴール前に入った内野(筑波大)が合わせ、先制点をもぎ取った。同28分に同点に追い付かれたが、残り10分でPKを獲得。右サイドで守備に割かれる時間も多く、献身的なプレーでチームに貢献していた松村(鹿島、静岡学園高出)がキッカーを務め、決勝点を決めた。