荻野目洋子 今こそ歌にグルーブ感【ハママツ・ジャズ・ウィーク「ヤマハジャズフェスティバル」出演者に聞く㊦】

 来年歌手デビュー40周年を迎える荻野目洋子が、ヤマハジャズフェスティバルに初登場する。「歌声は生ものだから変化する。この年齢だからこそのグルーブ感を大切にしたい」と意気込みを語った。

初出演するハママツ・ジャズ・ウィークへの思いを語る荻野目洋子=9月上旬、静岡市駿河区の静岡 新聞放送会館(写真部・小糸恵介)
初出演するハママツ・ジャズ・ウィークへの思いを語る荻野目洋子=9月上旬、静岡市駿河区の静岡 新聞放送会館(写真部・小糸恵介)

 1984年にデビューして以後、「六本木純情派」や「ダンシング・ヒーロー」「コーヒー・ルンバ」など幅広い楽曲をこなし、同世代のアイドルの中でも実力派として確固たる地位を築いてきた。
 ジャズとの出合いはビートルズがカバーしていた「ア・テイスト・オブ・ハニー」。原曲を聴き、ジャズに対して抱いていた敷居の高さが払拭され、ポップスに近いという印象さえ受けた。その後、エラ・フィッツジェラルドのボーカリストとしてのしなやかさとチャーミングな人柄にほれ込み、「ジャズにいつかチャレンジしたい」という思いを強くしていった。
 「ご縁のつながりが強い」。高校時代からの親友森口博子の紹介で、2017年に国内で最も歴史のあるジャズフェスティバル「サマージャズ」に出演したり、音楽番組で披露したり、活躍の場を広げてきた。
 浜松は夫の仕事に帯同し、何度も訪れている街。「たまたまハママツ・ジャズ・ウィークのポスターを目にして、さすが音楽のまちだなと。いつか出たいと言葉にしていたら実現した」と明かす。
 約1時間の今回のステージには、初共演となる5人の演奏家とともに立つ。楽器が少なくなれば音がシンプルになり、ボーカルの響きが際立つ。緊張感は高まるが、ジャズならではの即興を楽しみにしている。
 ジャズの生演奏は「物おじしていたらつまらない。飛び込んでいく度胸が試される」。アップビートの楽曲や、自身の代表曲のジャズアレンジにも挑戦する。
 (教育文化部・名倉佐記)

■私の名盤 「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」 ナット・キング・コール(1962年)
 ナット・キング・コールは楽曲を分かりやすく歌うという点で、とても大きな存在。ピアニストの彼は、軽やかに歌い上げる。ボーカルワークの技術よりも、音楽そのものの心地よさが感じられ、とても勉強になった。初めて聴いた20代のころから、何回も聴きたくなる1曲。娘のナタリー・コールが、グラミー賞のステージで映像と“デュエット”したシーンも感動的だった。

 22日、3部構成で開催
 「ヤマハジャズフェスティバル」は22日午後1時から、浜松市中区のアクトシティ浜松大ホールで開催される。海野雅威NYトリオ、荻野目洋子、渡辺貞夫オーケストラの3部構成。チケットは全席指定、各プレイガイドで発売中。詳細はハママツ・ジャズ・ウィークの公式ウェブサイトへ。

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