浜松市水道料金 2割値上げ有力 財政見通し厳しく

 浜松市は3日の上下水道事業経営アドバイザー会議で、事業の収支悪化に伴う水道料金の見直しについて現行の料金水準を19・9%引き上げる案を有力案として提示した。同会議で有識者らの意見を聞きながら、来年2月をめどに新しい料金表案をまとめる。実際の料金改定の時期は未定。

 現在、一般的な家庭で20立方メートルの水を使用した場合の月額料金は2156円。今回の案を採用すれば400円余りの値上げになる。現在の同市の家庭向け料金水準は県西部8市町で最安で、値上げ後で平均に近づく。改定は低所得者層の軽減措置や従量料金の逓増度も併せて検討していく。
 この日の会議で、市は値上げをしない場合、急な施設補修などに備えて蓄えている資金残高が2026年度にマイナスとなり、企業の倒産相当の状態に陥るとの財政見通しを示した。17年度に102億円あった給水収益が人口減に伴って年間約1億円ずつ減っている一方、動力・修繕・委託料の主要経費3項目が直近6年間で10億円ほど増えていて、22年度決算で27年ぶりの純損失を計上するなど、既に経営努力の限度を超えるほど収支が厳しくなっていると説明した。
 市は19・9%の値上げで安定経営に必要な約30億円の資金残高を維持できる、との試算も示したが、有識者からは「より厳しい経費増加を想定した試算も必要だ」との指摘が出た。
 (浜松総局・宮坂武司)

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