陸上女子やり投げ斉藤真理菜(スズキAC) 世界一の北口を「突っ走らせない」 杭州アジア大会4位

 【杭州=静岡新聞社臨時支局・山本一真】けがを乗り越え、4年ぶりに代表復帰した陸上女子やり投げの斉藤真理菜(27)=スズキAC=が充実のシーズンを送っている。7月にアジア選手権を制覇。3日の中国・杭州アジア大会は4位だったが、北口榛花(JAL)に次いでパリ五輪に手が届く位置につける。「北口さんだけを突っ走らせない」。日本人で初めて世界選手権を制した第一人者を追う

女子やり投げ決勝 4位に終わった斉藤真理菜=3日、中国・杭州(静岡新聞社臨時支局・二神亨)
女子やり投げ決勝 4位に終わった斉藤真理菜=3日、中国・杭州(静岡新聞社臨時支局・二神亨)


 6年ぶりに挑んだ8月の世界選手権。規定内のスパイクピンを取り換えられるハプニングに見舞われ予選敗退した。後に運営側のミスと分かっても結果は変わらない。「言い表すことができない」悔しさをかみしめ、北口の快挙を見届け、闘志を燃え上がらせた。
 国士舘大4年の2017年に世界選手権に出場し、ユニバーシアード大会は62メートル37で2位。翌年は日本選手権初優勝と順調だった競技生活は19年アジア選手権で暗転した。競技前練習で腰を痛め、そこから「痛みに耐えながら続けて、ずるずる引きずってしまった」。

 この間に台頭したのが2学年下の北口だ。19年に日本記録(当時)の66メートル00を投げ、東京五輪は決勝進出。昨年の世界選手権で日本人初の銅メダルを手にした後輩の活躍を「日本のレベルを引き上げてくれたことには『ありがとう』という気持ち。でもこのまま1人で戦わせるわけにはいかない」と見つめてきた。

 昨年10月の栃木国体。斉藤は4年ぶりに60メートル台をマークしトンネルを抜けた。今季は初戦で62メートル台を投げ、日本選手権は北口を抑え5年ぶりに優勝。「技術は負けていないし、この体格で勝てるのは自分しかいない。それに、1人より2人のほうが日本のレベルを上げていける」。来夏のパリ五輪で女王に挑戦する。

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