高齢者ら外出支援車 出発 買い物・通院に送迎 磐田・南御厨

 磐田市の南御厨地域づくり協議会(村松直司会長)はこのほど、住民ボランティアが高齢者らを無償で送迎するお出かけ支援車「もろこ号」の出発式を同市東新屋の南御厨交流センターで開いた。買い物や通院のための移動手段を持たない交通弱者を地域で支え合う同市初の取り組み。草地博昭市長や関係者約30人が正式運行の開始を祝った。

移動手段のない地域の高齢者らを無償で送迎支援する「もろこ号」=磐田市東新屋の南御厨交流センター
移動手段のない地域の高齢者らを無償で送迎支援する「もろこ号」=磐田市東新屋の南御厨交流センター


 南御厨地区は高齢化率が高く、高齢者だけの世帯も多い。2020年に地区を通るバス路線がなくなったため、21年から高齢者らの外出ニーズに応える支援策を模索してきた。今年8月から行った試験運行では大きなトラブルもなく、好評を得たという。
 移動支援サービスは5人乗りの乗用車を週3日運行し、片道15分圏内の病院や商業施設などに送迎する。対象は65歳以上か障害がある地区住民。これまでに運転ボランティア23人を確保し、利用者として73人が登録した。無料で乗ることができ、車両のリース費用や運行経費は市の交付金で賄う。車両の名称はかつて地域の水辺に生息していた小型淡水魚カワバタモロコからつけた。
 出発式で村松会長は「『お互いさま』の心が通う地域づくりに向かって頑張りたい」とあいさつし、草地市長らとともにテープカットを行った。運行委員会の山下記佳会長は安全運行を宣言。出席者全員で第1便を見送った。
 (磐田支局・八木敬介)

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