小中高のいじめ、過去最多の2万3314件 静岡県内22年度

 文部科学省が4日発表した、2022年度の国公私立学校の問題行動・不登校調査で、静岡県はいじめの認知件数が2万3314件で、過去最多だった21年度の2万122件を15%上回った。
 小学校は1万7841件(前年度比18%増)、中学は5323件(7%増)、高校は77件(2%増)。特別支援学校は前年度の18件から73件へと、4倍以上に急増した。重大事態の発生件数は19件だった。政令指定都市は浜松市が51%増の4883件、静岡市は0・3%増の2400件だった。千人当たりの認知件数は県62・2件、浜松市78・0件、静岡市51・3件。
 いじめについては国が積極的認知を促す方針を示していて年々増加傾向にある。昨年県内では前年度と比べ7割増え、今年はさらに上回った格好だ。解消率は64・9%で、前年の65・3%を下回った。一方、認知から3カ月以上が経過した件数の割合は前年の14・9%から12・8%に減った。
 不登校については、小中学校の児童生徒数は9643人で前年度より17%増加した。小学校3340人(25%増)、中学校6303人(13%増)。政令市も同様で、浜松市が2210人(16%増)、静岡市が1626人(19%増)。
 生徒間や対教師などの暴力行為は5203件で、前年度を40%上回った。千人当たり14・1件で、都道府県別で全国で4番目に多い。
 いじめや暴力行為が増加した背景には22年度、行事や活動の復活など、校内で児童生徒が関わる場面が増えたことが想定される。識者からは「子ども同士の距離感が数年間で急激に変化したことが影響しているのでは」との指摘がある。
 文科省のデータは私立を含む。公立学校については静岡県教委が近く、詳しいデータを公表する。
 (社会部・大須賀伸江)

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