暴力行為4割増「生徒間暴力」顕著 静岡県教委調査 コロナ禍の影響浮き彫りに

 静岡県教委は6日、2022年度に県内の公立学校が認知したいじめや暴力、不登校に関する調査結果を公表した。小中学校の暴力行為は5080件で前年度比42%増。生徒間暴力が急増していることが分かった。

 内訳は小学校3608件(前年度比53%増)、中学校1472件(21%増)。「生徒間暴力」は小学校2674件(57%)、中学校1103件(32%増)で前年度に比べて顕著に増加した。形態ごとの比較でも全体の7割を占めていて、「器物損壊」「対教師暴力」が続いた。
 暴力行為の件数が伸びた一因として、県教委は新型コロナウイルスの影響で、児童生徒が人との関わりを体験的に学ぶ学校行事やグループ活動が減少した点に触れ「言葉で表現できず暴力的な行動につながった」とみる。また、学校現場で積極認知の機運が高まっていることも挙げる。
 高校は1件減の55件。「生徒間暴力」は42件で76%を占めた。
 4年生以下は入学時からマスク着用や黙食などを続けてきた。5年生以上は友人関係が構築された後に一斉休校を経験し、距離感の急変に直面した学年だ。各学年が影響を受けている中で、県教委は人との接し方やストレス統制のスキルを学ぶ「人間関係づくりプログラム」の活用を推進し、改訂を目指す。
 不登校は小中学校で9447件(17%増)と過去最多となった。高校は全日制、定時制とも数を伸ばし計1136人(4%増)。
 学年別では中学1年が最も新規の不登校者数が多く、1226人(12%増)だった。指導の結果登校するようになった児童生徒の割合は小学校20・4%、中学校21・9%だった。
 いじめの認知件数は小中学校2万3079件(15%増)、高校41件(24%増)。発見のきっかけは「アンケートなど学校の取り組み」「本人の訴え」が多い。特別支援学校は59件で前年度の5・3倍。県教委は「校内研修を行う学校が増え、教員や児童生徒への意識啓発が進んだのも一因」とみている。

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