静岡県勢24のメダル 自転車や団体競技で奮闘 パリ五輪へ期待感 杭州アジア大会

【杭州=静岡新聞社臨時支局・山本一真】パリ五輪の前年開催となった杭州アジア大会が8日、閉幕した。静岡県勢は金14、銀5、銅5の計24個のメダルを獲得。選手層の底上げを図った団体競技や静岡県東部が拠点の自転車競技が活躍し、来夏への期待を感じさせた。
 男女とも若手主体で挑んだサッカーは女子が金、男子が銀メダルを獲得。女子はワールドカップ(W杯)組から唯一、参戦した千葉玲海菜(千葉、藤枝順心高出)がチーム最多タイの7得点。ともに高校生でJFAアカデミー福島に所属する谷川萌々子、古賀塔子も存在感を示した。
【サッカー女子】 photo03 金メダルのサッカー女子 photo03 金メダルのサッカー女子  U―22(22歳以下)の大岩剛監督(清水商高出)が率いた男子は決勝でU―24韓国に敗れたが、県勢は松村優太(鹿島、静岡学園高出)が北朝鮮との準々決勝で決勝点。吉田真那斗(鹿屋体大、浜松開誠館高出)、関根大輝(拓大、静岡学園高出)も経験を積んだ。
 【サッカー男子】 photo03 銀メダルのサッカー男子 photo03 銀メダルのサッカー男子  自転車競技トラックは出場11種目で「金」10個。中距離は三島市で活動する今村駿介、窪木一茂らブリヂストン勢と東京五輪女子オムニアム銀の梶原悠未(TEAM Yumi)を軸に全6種目を制覇。短距離も4種目で勝ち、伊豆ベロドロームを中心にした強化体制の成果が表れた。
【自転車男子】 photo03 金メダルの自転車トラック男子団体追い抜き photo03 金メダルの自転車トラック男子団体追い抜き 【自転車女子】 photo03 自転車女子ケイリンで金メダルの佐藤水菜 photo03 金メダルの自転車トラック女子団体追い抜き  セーリング混合470級は、世界選手権覇者の岡田奎樹(トヨタ自動車東日本)が貫禄の金メダル。イカイの3人が出場した水球男子は決勝で中国を下し、53年ぶりの優勝で五輪切符も手にした。
 アジア圏に強豪が集い、五輪前哨戦になった競技はあと一歩勝ちきれない場面も。柔道男子73キロ級でパリ代表の橋本壮市(パーク24、浜松市出身)は決勝でライバル候補に一瞬の隙を突かれ銀。ボクシング男子51キロ級の坪井智也(自衛隊、浜松工高出)は準決勝で世界王者に屈し今大会での代表内定を逃した。
【柔道男子・橋本壮市(パーク24、浜松市中区出身)】 photo03 73㌔級で銀メダルの橋本壮市 photo03 73㌔級で銀メダルの橋本壮市 【ボクシング・坪井智也(自衛隊、浜松工高出)】 photo03 51㌔級で銅メダルの坪井智也 photo03 51㌔級で銅メダルの坪井智也  卓球女子団体は決勝で中国に敗れたが、久々に王国を苦しめた。平野美宇(木下グループ、沼津市出身)は世界ランク2位の陳夢(中国)に奮戦。今大会不在だった伊藤美誠(スターツ、磐田市出身)とのシングルス代表争いが注目される。
【卓球女子・平野美宇(木下グループ、沼津市出身)】 photo03 団体で銀メダルの平野美宇 photo03 団体で銀メダルの平野美宇  光ったのがレスリング男子グレコローマン60キロ級で銀の鈴木絢大(レスターホールディングス、飛龍高出)。パリ五輪の道はなくなったが、決勝で世界選手権V2の強敵と渡り合った。バレーボール男子は難波尭弘(東レ)が2大会ぶりの銅メダルに貢献した。
【レスリング・鈴木絢大(レスターホールディングス、飛龍高出)】 photo03 男子グレコローマン60㌔級で銀メダルの鈴木絢大 【バレー男子・難波尭弘(東レアローズ)】 photo03 銅メダルの難波尭弘 photo03 銅メダルの難波尭弘  非五輪種目では、尾上胡桃(日体大、浜松市出身)がソフトテニス女子団体で2連覇を達成した。

(写真:静岡新聞社臨時支局・二神亨)
次回26年は愛知・名古屋  次回の2026年大会は愛知県と名古屋市の共催となる。夏季大会の国内開催は1958年の東京、94年の広島に続いて3度目。既存施設の活用でコストを抑え、競泳、飛び込みや馬術など一部競技は愛知県外で実施される。
 パリ五輪の32競技に加え、カバディ、武術太極拳などアジアで普及している5競技、野球・ソフトボール、空手も行われる。スカッシュや今大会で正式競技に採用されたeスポーツも実施予定だ。

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