療養支えたファシリティドッグ「タイ」 退院した子どもたちと再会 磐田

 療養する子どもたちを支える「ファシリティドッグ」の派遣事業を行う認定NPO法人シャイン・オン・キッズ(東京都)は9日、県立こども病院(静岡市葵区)のゴールデンレトリバー「タイ」と、同病院を退院した子どもたちとの交流イベントを磐田市のゆめりあで開いた。退院した5歳から高校生までの11人とその家族が、サッカーの試合を観戦しながらタイとの再会を果たした。

タイとの再会を楽しむ子どもたち=9日午後、磐田市のゆめりあ
タイとの再会を楽しむ子どもたち=9日午後、磐田市のゆめりあ

県立こども病院に派遣「そばにいてくれたから頑張れた」  参加した子どもたちはタイをなでたり、一緒に写真を撮ったりして交流を楽しんだ。小学1年のころに2度入院した穴山優里さん(8)=富士田子浦小3=は「採血をする時、(タイが)そばにいてくれたから頑張れた」と振り返り「再会できてうれしい。元気が出た」と笑顔をみせた。
磐田の坂本君がきっかけ、サッカーの試合に合わせてイベント  イベントは、肝細胞がんで同病院に入院していた坂本パトリック龍輝君=磐田豊田南中3=がきっかけ。手術費を支援するため募金活動を行ったサッカー女子・静岡SSUボニータ(磐田市)に、龍輝くんがタイの存在を伝えたことで、ホームゲームに合わせて開催が実現した。ハーフタイムでは、タイとハンドラー(指導者)の谷口めぐみさん(37)がグラウンドに登場。会場に詰めかけた観客やファンに、ファシリティドッグの活動を紹介した。
 タイは同病院の3代目ファシリティドッグ。手術室入り口まで同伴したり、リハビリ支援を行ったりするなど、入院中の子どもたちに寄り添う。谷口さんは「退院後の交流機会はなく、子どもたちは元気になった姿を(タイに)みせたいと思っている。イベントを通じて子どもたちを励ますとともに、ファシリティドッグの存在を多くの人に知ってもらえれば」と話した。

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