JAXAワーキンググループ 万野風穴で惑星探査実験 磁気測定や動作確認 富士宮市議会で明らかに

 富士宮市は10日に開かれた市議会9月定例会一般質問で、同市山宮の万野風穴で宇宙航空研究開発機構(JAXA)ワーキンググループによる惑星探査用の無人機器開発実験が行われていることを報告した。植松健一氏(至誠)への答弁。

 実験はJAXAワーキンググループで練っている、月や火星の縦穴と地下空洞の無人探査計画(UZUME計画)の前段とされる。市によると、万野風穴は月や火星の地下空洞と同じ物質と考えられる玄武岩でできていて、洞内の形状が良好に保たれていることから実験場に選ばれたとみられる。
 実験は3月から1、2カ月に一度の頻度で行われている。全国の多分野から専門家が集まり、磁気の測定や小型無人探査機の動作確認をしているという。
 万野風穴は総延長約900メートルとされ、溶岩の流出状態が分かる貴重な例として国の天然記念物に指定されている。崩落の懸念から1984年以降、立ち入りを制限している。市担当者は、実験で得た調査結果を風穴の安全性の判断に役立てる狙いも明らかにした。
 一般質問にはこのほか、芦沢秀典、平下尚己、佐野和也、中野健太郎の4氏(いずれも明和)も登壇した。
 (富士宮支局・国本啓志郎)

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