「タケノコ」発言 江本氏を陳謝処分 沼津市議会懲罰特別委員会

 沼津市の江本浩二市議が市議会9月定例会本会議の質疑中に「市有地からタケノコを掘って販売している」と発言した問題で、市議会懲罰特別委員会は11日、江本氏への懲罰動議を非公開で審査し、陳謝処分とすべきと賛成多数で決めた。江本氏は改めて「議員になってから市有地のタケノコは販売していない」と当初と異なる弁明をした上で、「誤解を招く発言だった」と釈明した。

江本氏への懲罰について審査した懲罰特別委員会=沼津市議会
江本氏への懲罰について審査した懲罰特別委員会=沼津市議会

 動議は定例会最終日の16日に採決する。懲罰の種類は4段階(除名、出席停止、陳謝、戒告)あり、陳謝は2番目に軽い。懲罰には江本氏が所属する未来の風と、共産党市議団の計2委員が反対した。江本氏や特別委の委員によると、江本氏はかつて販売したタケノコは「私が所有する竹林の中の物」と強調。一方で「竹林内の市有地(と所有地)との境界は定かでない」とも述べた。
 審査の中で懲罰に賛成する委員からは「議会の品位を汚す発言」「発言が本人の意図と違うのならば、撤回もできた」との理由が出た。反対の委員からは「現場検証もせず、あまりにも性急な判断」「懲罰はみだりに発すべきではない」との意見があったという。また、10日の本会議で前言を翻した弁明について賛成の委員から「詭弁(きべん)と言わざるを得ない」との意見が上がった他、反対した委員からも「内容が大きく食い違った発言」との指摘があった。
 江本氏は弁明後の取材で改めて「誤解を招き残念。申し訳なかった」とした。その上で「発言を撤回するかは未確定」と明確な意思を示さず、懲罰を受け入れるかについても「未確定」と明言を避けた。
 (東部総局・尾藤旭)

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