静岡人インタビュー「この人」 佐久間駅伝舞台の小説を執筆した 奈女田功さん(浜松市中区)

 浜松市天竜区で長年開催され、このほど廃止が決まった「佐久間駅伝」を舞台に、中年ランナーの苦悩や友情を描いた小説「RUNNER―おっさんたちの駅伝―」を執筆した。年度内に出版予定。37年間、教員として勤務し、竜禅寺小(同市中区)や佐久間小(同市天竜区)などで校長を歴任した。67歳。

奈女田功さん
奈女田功さん

 ―作品への思いは。
 「生まれ故郷の一大イベントを大勢の方に知ってほしいと思って執筆した。登場人物が挫折や不幸を乗り越え、たすきをつなぐ熱い物語。走っている場面は特に魂を込めて書いた。ランナーをはじめ、大会に携わる全ての人々の情熱に触れられる」
 ―佐久間駅伝をテーマにした理由は。
 「佐久間といえば駅伝。地域が一丸となって盛り上げる、そんな催しは他にない。約30年前から参加していることもあり、思い入れがある。小説を書くならこれしかないとさえ思っていた。登場人物も自分が走り始めたころの年代に合わせ、フィクションではあるものの、自叙伝的な要素も含まれている」
 ―なぜ本を書き始めたのか。
 「校長時代に職員に向けて発行していた『校長室だより』を退職後に整理し、後進の参考になればと出版した。元々物書きが好きで、作家を夢見ていたこともある。教員を辞めて時間に余裕もできたため、一念発起して執筆を始め、これまでに児童書や小説など15冊を出版した」
 ―今後の目標は。
 「まだまだ書きたいテーマがたくさんある。今後も出版社からの募集に積極的に応募し、評価してもらいたい。今まで以上にたくさんの人に作品を読んでもらいたいという思いも湧いている。そのためにも良い作品を生み出していきたい」
 (浜松総局・仲瀬駿介)

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