静大・浜医大再編 静大学長、合意書「白紙」視野 静大浜松は反対表明

 静岡大と浜松医科大の運営法人統合・大学再編を巡り、静岡大浜松キャンパスの学部長ら4人が16日、浜松市中区の両大統合準備室で記者会見を開き、両大で締結した「1法人2大学案」の合意書について、静大の日詰一幸学長が「白紙撤回」を視野に議論を進めていると指摘した。川田善正理事・副学長は「学内議論が一方的に進み、数の論理で(浜松側の)熱意が封殺されている」と述べ、白紙撤回に断固反対し、合意書に基づく統合・再編の実現を求めた。

「1法人2大学案」の白紙撤回に反対し、合意書に基づく統合・再編を求めて会見する静大浜松キャンパスの(左から)笹原恵情報学部長、川田善正理事・副学長、福田充宏工学部長、木村雅和電子工学研究所長=16日午後1時20分ごろ、浜松市中区
「1法人2大学案」の白紙撤回に反対し、合意書に基づく統合・再編を求めて会見する静大浜松キャンパスの(左から)笹原恵情報学部長、川田善正理事・副学長、福田充宏工学部長、木村雅和電子工学研究所長=16日午後1時20分ごろ、浜松市中区

 ほかに福田充宏工学部長、笹原恵情報学部長、木村雅和電子工学研究所長が出席した。4人によると、4日に開かれた部局長級の学内会合で、日詰学長が「1大学2校案」を静大の正式案とし、浜医大が拒否した場合は合意書の白紙撤回を辞さない構えを示した。同案は18日開催予定の学内評議会で諮られる可能性があり、4人は静岡キャンパスの教員が構成員の約3分の2に当たる20人以上に上るため、多数決で浜松側の主張が退けられることに危機感を抱いて会見を開いた。
 4人は両大が長く議論してきた合意書の撤回は、静大の名誉や信用の喪失につながると強調した。福田工学部長は「1法人2大学案」を進める意義を「国内初の医・工・情の学部構成の大学ができる。小さな組織になり、意思決定が迅速になる」と説明。木村所長は「大学の生き残りをかけた戦いは厳しくなっている。静岡と浜松のそれぞれで、強みを生かした大学をつくりたい」と訴えた。
 (浜松総局・白本俊樹)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞