静岡人インタビュー「この人」 浜松市スタートアップ推進担当部長に就任した 川路勝也さん(浜松市中区)

 2007年に経済産業省に入省。中小企業支援や東京電力福島第1原発事故の被災者支援などを担当し、同省大臣官房秘書課を経て7月から現職。2代目部長として市のスタートアップ(新興企業)支援施策を統括する。地方自治体勤務は初めて。群馬県出身。39歳。

川路勝也さん
川路勝也さん

 ―市の振興策の現状は。
 「産学官金の機関が一体で取り組み、全国的にも『熱量が高い』と評価されている。特に認定ベンチャーキャピタル(VC)と協調して有望な企業に交付金を出すファンドサポート制度は支援効果も注目度も高い。首都圏から有望な企業の拠点を誘致し、浜松発の企業も資金調達額を伸ばす成果が出ている」
 ―現在重点を置く施策は。
 「市の目標は既存の地域企業を含めた経済の活性化。スタートアップの技術を地域企業の新事業創出に生かす協業支援に注力している。試行錯誤を重ねて、より良い協業のあり方を探りたい。新設の学生向け起業家育成コミュニティーは意欲ある若者が集まった。若者が積極的に挑戦し、夢をかなえられる土壌を作っていきたい」
 ―地方都市でスタートアップを盛り上げる意義は。
 「スタートアップは社会課題を解決する新しい発想を成長の駆動力としていて、地方は課題の宝庫。特に国土縮図型の浜松では既に多くの企業が課題を見つけ、アイデアの実証実験をしている。斬新な発想の実験はきっと地域の元気にもつながる」
 ―部長としての抱負は。
 「昨年公表されたスタートアップ育成5カ年計画は国の本気度が表れ、成長を取り込もうと地域間の施策競争が激化している。浜松は先行してきたが、気を抜かず、企業やVCに選ばれる施策を打ち続けたい」
 (浜松総局・宮坂武司)

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