台風で被災のビオトープにアサギマダラ 静岡の松野小 復旧に住民ら協力、児童喜び

 昨秋の台風15号で浸水被害に遭った静岡市葵区の松野小(石原鉄也校長)のビオトープに、「旅するチョウ」として知られるアサギマダラが飛来している。静岡県内外のボランティアの協力で復旧後、アサギマダラが好むフジバカマの苗を地域住民からの提供で植栽した。児童や教職員は「多くの人のおかげで、アサギマダラが来てくれた」と喜んでいる。

アサギマダラを観察する児童=静岡市葵区の松野小
アサギマダラを観察する児童=静岡市葵区の松野小
フジバカマに止まったアサギマダラ
フジバカマに止まったアサギマダラ
アサギマダラを観察する児童=静岡市葵区の松野小
フジバカマに止まったアサギマダラ

 3、4年生の14人は17日、総合的な学習の時間を活用し、ビオトープに飛来したチョウを観察した。フジバカマの先に止まった華麗な姿に「かわいい」と声を弾ませた。4年の松永空奈さん(9)は「来てくれてうれしい。地域の人たちに感謝したい」と話した。
 同校のビオトープは昨年、台風の影響で裏手の川から土砂が流れ込み、全体が浸水した。県内外の災害ボランティアらが重機を入れて、池や歩道、小川などの復旧や整備に当たった。地域住民が寄付したフジバカマの苗を3月に植え、6年生が中心になって水やりをしてきた。
 アサギマダラは今月6日に初めて確認され、現在は10匹ほどが観察できる。同校によると、群馬県でマーキングされたとみられる個体もいるという。石原校長は「ビオトープに生き物を取り戻したい、という子どもたちの夢が一つかなった。大切に見守っていきたい」と話した。
 (生活報道部・大滝麻衣)

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