静岡人インタビュー「この人」 医療機関に手作り人形の寄贈を続ける 滝宰枝さん(静岡市葵区)

 世界各国に約25万人の会員がいる「キワニスクラブ」の県内組織「国際キワニスクラブ静岡」の最古参として活躍し、小児医療機関に手作りの人形を寄贈するなど、19年間、子どもへの奉仕活動を続けている。9月まで県内組織の会長職も務めた。83歳。

滝宰枝さん
滝宰枝さん

 ―キワニスクラブとは。
 「ロータリークラブ、ライオンズクラブと並ぶ世界三大奉仕団体の一つで、1915年に米国で設立された。国内には41カ所あり、静岡は2004年に発足した。会員は50人いて、このうち女性は9人。手作りの人形『キワニスドール』の寄贈のほか、高校生サミットの支援、子ども食堂の支援など幅広く活動している」
 ―キワニスドールとは。
 「体長40センチ、体重50グラムの真っ白の木綿生地の人形で、目も鼻も口もない。入院中の子が顔や服を描いてかわいがったり、医師などが治療を説明する際に使ったりしている。昨年は286体を病院などに寄贈した。少しでも心の安らぎになればとの思いでコツコツ制作している」
 ―制作過程は。
 「型紙が決まっているため、まずは人形キット作りから始める。木綿生地を裁断し、詰める綿を1体分ずつ分ける。各会員がそれを持ち帰って縫い上げている。男性会員の奥さんや、裁縫が得意なボランティアの協力も得てありがたい。協力者がさらに増えるよう願っている」
 ―来年で20周年を迎える。
 「2年間会長職を務めた中で、これからが楽しみな若手が入って活気を感じている。設立時からいる身として、来年は20周年の節目を迎えることも大変感慨深い。半世紀前に夫と起業し、会社経営する傍らで私自身が奉仕活動に元気をもらい続けてきた。感謝している」
 (社会部・大須賀伸江)

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