まさかり手に鬼“大暴れ”  静岡県指定文化財「川合花の舞」 4年ぶり演舞 浜松市・佐久間町

 浜松市天竜区佐久間町川合地区の八坂神社で29日、県指定無形民俗文化財「川合花の舞」が4年ぶりに奉納された。新型コロナ禍での連続中止から本格再開に向けた最初の段階と位置づけ、演目を一部短縮して実施した。地元の川合花の舞保存会が五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災の祈りを込めて伝統の舞を踊った。

鬼がまさかりを持って乱舞する「山見鬼」=浜松市天竜区佐久間町の八坂神社
鬼がまさかりを持って乱舞する「山見鬼」=浜松市天竜区佐久間町の八坂神社


 境内に設けた約4メートル四方の舞処(まいど)で、中央に置いた沸き立つ湯釜の周囲を回るように、舞い手が次々と演目をこなした。午前9時、一人の舞い手が太鼓のバチを持って踊る「地固め」で始まり、昼過ぎまで続いた。
 予定外だった演目「山見鬼」も披露した。鬼の仮面をかぶった舞い手が、両手でまさかりを振り下ろす動きを見せたり、蜂の巣に似せた置物を壊したりして会場を盛り上げた。
 同保存会の山下邦敏会長(71)は「再開することができてうれしかった。4年ぶりに復活させたい思いでみんなが一生懸命に取り組んでくれた」と話した。
 川合花の舞は三遠南信地域で伝わる湯立神楽。例年は、夕方から夜まで舞を披露する。
 (水窪支局・大沢諒)

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