冬に光差す高揚感 オルガン奏者・大木麻理(静岡出身) 3日にリサイタル開催

 静岡市出身のオルガン奏者大木麻理が3日、同市葵区の静岡音楽館AOIでリサイタルを開く。バッハによるオルガン作品の全曲演奏を目指した公演の3回目。

「パイプオルガンの音を浴びてほしい」と話す大木麻理=静岡市葵区
「パイプオルガンの音を浴びてほしい」と話す大木麻理=静岡市葵区

 今回のテーマは「イエスを待ち望むバッハ」。クリスマスに向かう時期に、教会などで演奏される曲を中心に構成した。「この時期のドイツは午後3時ごろから暗くなり、だんだんクリスマスマーケットの明かりがついてにぎやかになる。もの悲しい気持ちに光が差してくるような高揚感のある曲を集めた」と話す。
 バッハのオルガン作品は200曲を超える。オルガン奏者の多くが集大成的に全曲演奏に取り組む一方、「バッハは音楽家が必ず通る道。その壁を越えた時にどんな世界が見えるのか知りたい」と2021年から年1回のペースで、“走破”に挑む。2回の演奏会を経た感想は「曲ともっと仲良くなれると思ったが、必死にもがき、追いかけないと手が届かないような焦りが出てきた」。追究は始まったばかりだ。
 ピアノ教師の母親の影響でピアノを始め、10歳の時に母親に付いて行ったレッスンでオルガンに魅せられた。清水南高から東京芸術大に進み、ドイツへ留学。現在はミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市)のホール奏者などを務める。国内外で活躍の場を広げる中「小学校から描いていた夢を実現した。お世話になった方々に恥ずかしい姿は見せられない」と地元での演奏会に気を引き締める。「AOIのパイプオルガンは静岡の宝物。構えることなく、音をたくさん浴びて、非日常の体験をしてほしい」
 (教育文化部・鈴木明芽)
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 午後2時開演。チケットは一般3000円、学生2000円。取り扱いはチケットぴあや蔦屋書店静岡本店プレイガイドなど。問い合わせはオフィスアルシュ<電03(3565)6771>へ。

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