縁起物の和菓子「藤八柿」に再注目! 家康が関ケ原の戦い勝利確信 藤枝の歴史発信好機

 慶長5(1600)年の天下分け目の「関ケ原の戦い」直前に献上され、徳川家康が勝利を連想させる縁起物として喜んだ柿「藤八柿(とうはちがき)」にちなんだ藤枝市内の和菓子が今年、大河ドラマ「どうする家康」の放送を契機に再注目されている。和菓子店では売り上げが伸びていて、関係者は藤枝の歴史発信の好機と捉えている。

店頭のポスターで由来を紹介する「藤八柿」=藤枝市の「かし善」
店頭のポスターで由来を紹介する「藤八柿」=藤枝市の「かし善」
家康の長寿にちなんで名付けた「長寿柿」=藤枝市の「紅家 紅粉屋久右衛門」
家康の長寿にちなんで名付けた「長寿柿」=藤枝市の「紅家 紅粉屋久右衛門」
店頭のポスターで由来を紹介する「藤八柿」=藤枝市の「かし善」
家康の長寿にちなんで名付けた「長寿柿」=藤枝市の「紅家 紅粉屋久右衛門」

 市郷土博物館・文学館蔵の史料「橋本家文書」などによると、家康は関ケ原の戦いに向かう途中、市内の寺で一服。農民の橋本藤八から大きな美濃柿を献上された。家康は、敵軍の中心武将の石田三成らが決戦前に詰めていた美濃の大垣城を思い浮かべて「美濃の大垣(大柿)すでにわが手にあり」と喜び、藤八に柿を「藤八柿」と名付けるよう命じたという。
 同市藤枝の和菓子店には藤八柿にちなみ、種を取った干し柿に白あんを詰めて氷餅をまぶした菓子が並び、今年人気を集めている。
 「かし善」は「藤八柿」(1個295円)を販売中。同店によると、ことしは観光ツアーの土産物に選ばれるほか、近くにある史跡田中城下屋敷周辺を訪れた観光客の購入が目立つという。店主の相馬国久さん(73)は「藤八柿の注目が高まる今、藤枝の歴史も発信したい」と意気込む。
 「紅家 紅粉屋久右衛門」は、長寿の家康にあやかって食べた人が長生きするように願い名付けた「長寿柿」(1個324円)を販売している。店主の飯塚正さん(75)は「これまでも1番人気の商品だったが、ことしは例年以上の売り上げ」と語る。歴史ファンの来店増加に合わせ、家康が田中城の武田軍を攻めた際に食べたとされる草餅にちなんだ「勝草餅」(1個162円)も従来のイベント時の限定販売から、通常販売に切り替えた。

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