杉原千畝夫妻たたえ 碑前祭 沼津 イスラエル大使館報道官出席

 第2次世界大戦中、ドイツの迫害からリトアニアに逃れたユダヤ人に通過査証(ビザ)を発給し救った外交官杉原千畝(1900~86年)と沼津市出身の妻幸子さん(13~2008年)の功績をたたえる第3回碑前祭「命のビザ希望の集い」が5日、同市の港口公園で開かれた。駐日イスラエル大使館のモール・エリヤフ報道官が出席し、イスラム組織ハマスによる虐殺を非難。捕虜の即時解放を訴える一方で、「私はイスラエルのために祈るが、同時に隣人のためにも祈る」とあいさつした。

杉原千畝、幸子夫妻の碑前で黙とうする関係者=沼津市の港口公園
杉原千畝、幸子夫妻の碑前で黙とうする関係者=沼津市の港口公園

 エリヤフ報道官は、世界中で反ユダヤ主義的行為が増えている現状を憂慮しているとし、「規範に背いても人命を救った杉原夫妻の精神にのっとり、行動を起こすよう求められている。テロのない世界を築きましょう」と呼びかけた。出席した駐日リトアニア大使館のクリスティーナ・シャルテ1等書記官は「子どもがより良く生きていける世界に導く杉原千畝のような存在の登場を願う」と話した。
 碑前祭は20年に顕彰碑を建立した同市の「命のビザ・杉原千畝夫妻顕彰会」が主催し、約200人が参加した。
 25日午後1時半からは、同市のプラサヴェルデでジャーナリスト石郷岡健さんの講演「杉原千畝とスターリン」を開く。会費500円、先着200人。
 (東部総局・菊地真生)

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