静岡市民文化会館 改修費20億円圧縮 PFI取りやめ、市11月補正予算案

 静岡市は6日、2023年度一般会計に9億2300万円を追加する11月補正予算案を発表した。建築資材価格の高騰を踏まえて、整備手法をPFI(民間資金活用による社会資本整備)方式から従来の公共事業方式に変更する市民文化会館(葵区)の大規模改修事業については、想定工事費をこれまでの約140億円から約120億円に圧縮するよう基本設計を変更する。補正予算案は20日開会の市議会11月定例会に提出する。

静岡市役所
静岡市役所

 市は6月、物価高で整備費用が増大するとして改修規模の見直しを発表していた。精査の結果、耐震改修や既存設備のリニューアルが主な内容となったため、整備内容に民間事業者の創意工夫を取り入れるPFI方式採用の必要性が乏しくなったという。
 内容変更と期間延長に伴う事業者への基本設計委託費を900万円増額するほか、別の事業者と締結しているPFIアドバイザリー業務契約を11月で打ち切った上で、22年8月から23年11月までの契約料2900万円を支払う。市の担当者は「事業者が行った市場調査などは市が今後、管理・運営事業者を選定する上で参考になり、無駄にはならない」としている。
 清水庵原球場の整備費には3千万円を計上した。同球団を本拠地にする野球チーム「ハヤテ223(ふじさん)」の来季からのプロ野球2軍ウエスタン・リーグ参入内定を受け、三塁側場外に防球フェンスを新設し、内野スタンドの防球ネットを高さ2メートルから3・5メートルにかさ上げする。
 巴川流域治水対策事業の一環として2カ所の防災調整池に排水ポンプを設置し、雨水貯留機能を高めるために8500万円を計上した。葵区諸子沢で8月に発生した大規模地滑りに伴う被災河川復旧には2億2千万円を盛り込んだ。
 補正後の一般会計は3628億800万円。

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