静岡市民文化会館 ロビー拡張、広場整備断念 静岡市長が方針、「創造的改修」は維持

 静岡市の難波喬司市長は6日の定例記者会見で、物価高騰を受けて設計作業の見直しを進めている市民文化会館(葵区)の大規模改修について、これまでポイントに掲げていたロビーの拡張と広場の整備を取りやめる方針を表明した。市長は「既存設備のリニューアルが(改修の)中心となる」と説明。一方、2020年3月に策定した同館の再整備方針や、22年1月の基本構想・基本計画で掲げた多様な利用に対応する「創造的改修」の方針は維持するとした。

静岡市民文化会館
静岡市民文化会館

 市は同館の再整備の基本構想・基本計画発表時に想定工事費を約160億円とし、22年4月の基本設計委託業者の募集時は約140億円に圧縮した。この金額が建築資材費などの高騰で再び160億円に増加する見込みになったため、内容を見直して120億円に縮減する方針を決めた。
 難波市長は建物外壁も安価な仕様に変更したとし「技術的には耐震改修や仕様変更など地味(な改修)になる」と述べた。女子トイレの増設や防音機能を備えた練習室の新設など、機能面は従来通り拡充するとし「見た目は見違える。そういう意味で創造的改修になる」とした。広場の改修については「今はやめているが、いずれやるかもしれない」と、実施の可能性に余地を残した。
 整備手法をPFI方式(民間資金活用による社会資本整備)から従来の公共事業方式に変更したことについて、難波市長はPFIを取り入れた大浜公園(駿河区)の再整備と、清水港での海洋文化施設整備の両事業で応募がそれぞれ1社にとどまったことに言及。「競争性を確保し、より安い費用でよいサービスを提供する体制に変える必要がある」と強調した。
 (政治部・尾原崇也)

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