ガストロノミーツーリズム 静岡県、食文化の旅を官民で推進

 静岡県は旅先の食文化を楽しむ「ガストロノミーツーリズム」の推進を目的に、料理人、生産者、観光事業者ら関係者のネットワーク構築に向けた官民連携組織「ガストロノミーツーリズムフォーラム」を10月に立ち上げた。国内旅行者や回復傾向にあるインバウンド(訪日客)を呼び込むため、県内の豊富な食にスポットを当てた旅行商品の開発を後押しする。

本県のガストロノミーツーリズム推進を目的にしたフォーラムの設立会=静岡市内
本県のガストロノミーツーリズム推進を目的にしたフォーラムの設立会=静岡市内
県内のモデルツアーなどを紹介する「美味ららら」のパンフレット
県内のモデルツアーなどを紹介する「美味ららら」のパンフレット
本県のガストロノミーツーリズム推進を目的にしたフォーラムの設立会=静岡市内
県内のモデルツアーなどを紹介する「美味ららら」のパンフレット


 ガストロノミーツーリズムは、その土地の風土から生まれた食材や伝統、歴史によって育まれた食を味わい、食文化に触れることを目的とした旅行。全国トップクラスの多彩さを誇る「食材の王国」(県観光政策課)として本県の優位性を生かした観光振興を図るため、2022年度から準備を進めてきた。同課によると、近年は高級食材よりも地域ならではの食材に注目が集まり、生産現場の見学や生産者との交流といった体験が求められる傾向があるという。
 フォーラムは県が事務局を務める無料の会員制組織。食のトレンドやインバウンドに関する情報をLINE(ライン)などで提供したり、旅行商品開発のためのワークショップを開いたりする。異業種の会員同士を結びつけ、近隣地域の特色ある食や観光資源を組み合わせて魅力的な食体験を楽しめる旅行モデルを創出する。事業支援に当たるコーディネーターとして専門家2人をそろえ、相談窓口も設けた。
 静岡のガストロノミーツーリズムに親しんでもらおうと、事業ブランド名を「美味(びみ)ららら」と名付けた。今後開発される旅行商品やモデルツアーなどは美味らららの公式ホームページで紹介する。
 静岡市内でこのほど開かれたフォーラムの設立会には、飲食店シェフや農家、研究者、観光団体の代表者の会員約80人が参加。研究者による講演や活発な意見交換を行った。事業を担当する土泉一見スポーツ・文化観光部参事は「関係者が集まるプラットフォームを構築して県内の食文化の魅力を高め、国内外に情報発信したい」と意気込んだ。
 (政治部・大沼雄大)

 参加無料、会員を募集
 県はガストロノミーツーリズムフォーラムの会員を随時募集している。法人・個人を問わず入会無料。希望者は「美味ららら」のホームページから申し込む。問い合わせは観光政策課<電054(221)3617>へ。

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