折戸潮彩公園(静岡市清水区) コロナ下、学生の“心”つなぐ【キャンパス界隈/東海大学 ~憩いの場~】

 静岡市清水区の東海大静岡キャンパスからほど近い折戸潮彩(しおさい)公園。折戸湾を見渡し、北東には富士山を望む。行政と地域住民、同大の学生らがワークショップを通じて意見交換を重ね、出たアイデアを基に県清水港管理局が2016年に完成させた。
築山の芝生を段ボールで滑り降りる学生=静岡市清水区の折戸潮彩公園
 小高く築かれた山の芝生を段ボールで滑り降りるのは海洋学部4年の朝倉大翔さん(22)、大森泰剛さん(23)、黒木隼人さん(22)の3人組。新型コロナウイルス感染症の拡大とともに始まった大学生活は、当初から「3密」を避ける日々だった。街中で遊ぶことや食事に行くことはできず、授業もオンラインが続いた。同キャンパスは下宿や1人暮らしの学生の割合が8割を超え、3人も例外ではなく親元から離れて暮らす。
折戸潮彩公園
 孤立の危機にあった学生が行き着いたのが、この公園だった。広々とした芝生の上でキャッチボールやランニングをし、犬の散歩に来た住民と触れ合う機会も。公園の基本コンセプトだった「人々がつながりを持てる和みの空間」がコロナ下の人々の心を癒やした。
 進学前、大学生活で「公園で遊ぶ」場面を思い描いた学生は少なかったはず。それでも3人は懐かしむ。「冬の夕方遊んだ後に見た、日本平に日が沈むグラデーション。きれいだったな」。先輩が築いた公園は、年の離れた後輩たちの思い出を鮮やかに彩る。
(清水支局・大村花)

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