記者コラム「清流」 税と選挙

 沼津市の高校で開かれた税と選挙に関する教室。「富裕層への所得増税で所得の再分配を」「消費増税で助け合う社会を」「小さな政府で財政縮小を」-。これらの主張をする3人の架空の候補者から生徒が議員を選ぶ模擬投票が行われた。
 投票の結果は8対2対6で所得増税を訴えた候補が勝利した。公約に若者世代への再分配を加えたのが、勝因だったのだろうか。
 減税か、給付か。国会で論戦が繰り広げられている。物価高に苦しむ庶民としては、減税や給付はありがたいが、一方で高齢者福祉に少子化対策と必要な支出ばかりの日本の財政は大丈夫か-というのが、多くの国民の思いだろう。
 「税金の使い方を決めるのが議員」。教室はこう結ばれた。議員を選ぶ一番大事な視点を、改めて気づかされた。
(東部総局・尾藤旭)

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