記者コラム「清流」 勝手に受け取った激励

 最近、取材先で懐かしい顔に会う機会が続いた。自分が営業職だったころ、夜通しイベント設営に励んだ社内外の仲間や、良くも悪くも社会人としての生きざまを学んだ入社時の先輩など、現在は新たな世界へ転職した方々だ。互いに以前と違う立場での近況報告は新鮮だった。
 培ってきた経験や年齢などを考え、転身にはさぞ勇気がいっただろうと想像し、決断に至った経緯に耳を傾ける。伝わってきたのは手探りで進む不安以上に、新境地にかける熱意と希望だった。力強い口調とポジティブな視線が、さりげなく自分の背中を押してくれた気がした。「おまえも頑張れよ」と。
 勝手に受け取ったエールを励みに、自分も記者職ととして何事にも好奇心を持つ思いを強くした。未知の世界を楽しむために。
(社会部・薬袋貴信)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞