浜松市のPFAS問題 19地点で新たに指針値超過

 浜松市の航空自衛隊浜松基地周辺の水路や井戸水から発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を超えて検出された問題で市は20日、西区と中区の井戸44地点で追加の水質調査をした結果、19地点で国の暫定指針値を超える同510~51ナノグラムを検出したと発表した。浜松基地から1・5キロ近く離れた場所でも高い濃度が検出されたため、市はPFASを使用した事業所が近くにないかを調べる。
 5月に同基地周辺の井戸15地点を調べた後、範囲をおおよそ500メートルずつ広げて調査を重ね、今回が3回目。これで指針値を超えたのは井戸100地点のうち33地点となった。
 今回検出された510ナノグラムは井戸の数値としては暫定指針値の約10倍と最も高い。市は井戸がいずれも私有物であるため所在地を公表していない。一部の井戸の所有者は飲用に使っていたが健康異常の訴えはないという。
 市環境保全課は「原因が特定できないが、より広範囲に分布している可能性がある」とみている。調査範囲を広げるとともに、一帯の主な事業所に対してPFAS使用歴の有無を問う聞き取り調査の準備を進めている。
 (浜松総局・宮坂武司)

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