所有者不明の土地解消へ 改正民事法制を解説 静岡市で協議会

 土地境界を巡る問題の解決や予防を図る県境界問題連絡協議会はこのほど、第5回協議会を静岡市葵区で開いた。社会問題になっている所有者不明土地の解消に向けて改正された民事法制などについて、弁護士や静岡地方法務局、静岡財務事務所の担当者が解説した。

所有者不明土地の解消に向けた民事法制をテーマにした協議会=静岡市葵区
所有者不明土地の解消に向けた民事法制をテーマにした協議会=静岡市葵区

 県土地家屋調査士会の会員や県、市町の職員らが参加した。県弁護士会業務改革委員の伊藤祐尚弁護士は、所有者不明土地の発生予防のために来年4月に施行する相続登記の申請義務化を説明。正当な理由がないのに申請を怠った場合は10万円以下の過料対象になるとし、「民事法制で罰則規定を設けることはそう多くない。国としても強制力を持たせたいという思いが表れている」と指摘した。
 静岡地方法務局の別府雅樹次席登記官は、相続した利用しない土地の所有権を国が引き取る「相続土地国庫帰属制度」を解説した。同制度も所有者不明土地の発生を抑えることを目的に今年4月に施行した。別府氏は申請手続きや帰属が不可能な土地などの説明をし、「相続の際の選択肢の一つとして、メリット、デメリットを知ってもらうことが大事」と述べた。
 (政治部・豊竹喬)

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