身近な公園に多様な野鳥 浜松 探鳥会で自然に親しむ【しずおかアウトドアファン】

 自然豊かな環境に恵まれた静岡県内は、バードウオッチングが盛んだ。中でも県西部地域の浜名湖周辺は、水辺の鳥にも山野の鳥にも出合うことができる。湖に面した浜名湖ガーデンパーク(浜松市西区)で3日に開かれた探鳥会は、都市公園の中にもかかわらず多くの野鳥が確認され、参加者を楽しませた。

木の枝に止まった野鳥に双眼鏡やカメラを向ける探鳥会の参加者=3日、浜松市西区の浜名湖ガーデンパーク
木の枝に止まった野鳥に双眼鏡やカメラを向ける探鳥会の参加者=3日、浜松市西区の浜名湖ガーデンパーク
探鳥会で見られたジョウビタキ=3日、浜松市西区の浜名湖ガーデンパーク(日本野鳥の会遠江提供)
探鳥会で見られたジョウビタキ=3日、浜松市西区の浜名湖ガーデンパーク(日本野鳥の会遠江提供)
浜名湖ガーデンパークでよく見られるオオハン(日本野鳥の会遠江提供)
浜名湖ガーデンパークでよく見られるオオハン(日本野鳥の会遠江提供)
浜名湖に飛来したコウノトリ(日本野鳥の会遠江提供)
浜名湖に飛来したコウノトリ(日本野鳥の会遠江提供)
浜松市西区の上空を飛ぶハヤフサ(日本野鳥の会遠江提供)
浜松市西区の上空を飛ぶハヤフサ(日本野鳥の会遠江提供)
双眼鏡を手に立ち木に止まった野鳥を観察する参加者=3日、浜松市西区の浜名湖ガーデンパーク
双眼鏡を手に立ち木に止まった野鳥を観察する参加者=3日、浜松市西区の浜名湖ガーデンパーク
水路にいるカモなどの水鳥を観察する参加者=3日、浜松市西区の浜名湖ガーデンパーク
水路にいるカモなどの水鳥を観察する参加者=3日、浜松市西区の浜名湖ガーデンパーク
木の枝に止まった野鳥に双眼鏡やカメラを向ける探鳥会の参加者=3日、浜松市西区の浜名湖ガーデンパーク
探鳥会で見られたジョウビタキ=3日、浜松市西区の浜名湖ガーデンパーク(日本野鳥の会遠江提供)
浜名湖ガーデンパークでよく見られるオオハン(日本野鳥の会遠江提供)
浜名湖に飛来したコウノトリ(日本野鳥の会遠江提供)
浜松市西区の上空を飛ぶハヤフサ(日本野鳥の会遠江提供)
双眼鏡を手に立ち木に止まった野鳥を観察する参加者=3日、浜松市西区の浜名湖ガーデンパーク
水路にいるカモなどの水鳥を観察する参加者=3日、浜松市西区の浜名湖ガーデンパーク

 ガーデンパークが主催した「秋のバードウォッチング」。市民ら約40人が双眼鏡やカメラを手に集まった。ガイドを務めたのは、県西部で活動する「日本野鳥の会遠江」のメンバー。バードウオッチング初心者のグループは、副代表・事務局長の松岡弘起さん(61)が案内した。
 都市公園のガーデンパークは、敷地のほぼ中央部を東西に水路が延びている。早速、水面を漂う水鳥のオオバンやバンの姿が目に入った。こちらからの距離は5メートルほど。近くの野外ステージで楽器の音がしたが、驚く様子はない。色や動きをしっかりと観察できた。のんびりした光景だが、「数が多くなると縄張り争いをする」と松岡さんが習性を教えてくれた。
 緑の木立が多い「里のエリア」の中を辺りを見回しながら歩く。「あそこにモズが見えますよ」「シジュウカラが何かを食べようとしている」。急いで双眼鏡を向けるが、追いつかない。柳の木の根元を白っぽいハクセキレイが跳ねるように歩くのを見ていると、奥の木の枝にもう1羽。羽に白い斑がある渡り鳥のジョウビタキだ。愛らしい姿に、カメラの望遠レンズが一斉に向けられる。さながらモデルの撮影会だ。
 水路を渡る橋の上から再び水鳥を眺める。不意に「カワセミだ」の声。水辺の柵に止まる、青光りする鳥が見えた。双眼鏡を向けるわずかな間に、どこかへ飛び去って行った。県内の渓流などでよく見られる鳥で、色の美しさから探鳥会で人気が高い。
 締めくくりは、参加者が観察した鳥を確認し合う「鳥合わせ」の時間。野鳥の会メンバーが一つずつ挙げていくと、合わせて25種にも及んだ。ヒドリガモ、カイツブリ、ヒヨドリ、ウグイス、ダイサギ、メジロ―。初心者グループは気付かなかった鳥も多く、観察に慣れたメンバーの“探鳥力”はさすがと思わせた。
 初心者にとっては、身近な所にいる野鳥に気付く機会になったようだ。探鳥会は初めてという同市中区の自営業佐々木千枝子さん(49)は、息子の悠伍君(9)や友人と一緒に参加した。「ガーデンパークにはよく来るが、鳥に注目したことはなかった」と話す。その多様さに驚きながらも「カワセミを見られて良かった。(中区・西区の)佐鳴湖でも鳥を見てみたい」と関心を深めた様子だった。
 (生活報道部・山本淳樹)  静岡県西部で295種観察  県西部地域は野鳥観察に適した「探鳥地」が数多い。観察や調査に当たる日本野鳥の会遠江は、2018年に発刊したガイド本「遠江の鳥 バードウォッチングガイド2 静岡県西部の野鳥」に、浜松市内の天竜川、佐鳴湖、県立森林公園、浜松城公園など23カ所、他市町の計19カ所を挙げる。00~18年ごろに観察、掲載した野鳥は、外来種を含めて計295種。浜名湖はこのうち205種が観察できるという。
 同会代表の増田裕さん(75)は「野鳥は日頃の散歩でも見つかるし、手軽に楽しめる。写真を撮るために何度も同じ場所に通うが、自然の中で飽きることがない」と魅力を語る。会は会員以外の初心者も自由に参加できる探鳥会を定期的に開き、野鳥に親しむ機会を設けている。
 一方、自然の中での観察は野鳥への気遣いが不可欠だ。増田さんは「営巣中の鳥には自分たちも近づかないようにしている。野鳥観察にはスコープや双眼鏡を使い、マナーを大切にしてほしい」と話す。

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