省エネ設備助成 また予算 底 県の中小向け導入促進事業 受け付け再開1カ月 「これほど早く…」 8億円追加も申請殺到

 静岡県内中小企業の脱炭素化を支援するため、県が9月補正予算に8億円を追加して実施していた中小企業等省エネ設備導入促進事業に企業からの申請が殺到し、受け付け開始から1カ月で予算が上限に達したことが、22日までの県への取材で分かった。担当者は「企業の脱炭素化への関心が高まっていることに加え、燃料価格の高騰が大きく影響している」とし、引き続き中小企業の省エネ支援の必要性を強調する。
 同補助金は年間エネルギー使用量が原油換算で1500キロリットルに満たない法人や事業主を対象に、二酸化炭素(CO2)排出量を5%以上削減できる空調、給湯、照明などの導入経費を最大600万円助成する。
 本年度は当初予算に5億円を計上して開始したが、2カ月弱で165件の申請があり、予算額に達したため募集を打ち切った。その後も企業からの問い合わせが相次ぎ、県は9月補正予算に8億円を追加して10月16日に受け付けを再開した。しかし約1カ月で約260件の申請があり、再び予算が底をついた。
 県環境政策課によると、申請事業所は工場、医療機関、旅館、飲食店、学校法人と多岐にわたり、空調設備の更新に合わせて発光ダイオード(LED)照明を導入するケースが全体の6割以上を占めたという。
 佐藤信太郎課長は「これほど早く予算に達するとは思っていなかった」と話す。燃料価格の高騰に伴う事業所の固定費削減は中小企業の重要課題で、製造業を中心にサプライチェーン(供給網)全体に脱炭素化が求められていることも背景にある。「中小企業が仕事を獲得する上でも省エネは重要な要素になっている」とし、今後も支援を続けていく意向を示した。
 (政治部・豊竹喬)

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