校内にアトリエ 芸術間近に 画家本田さん沼津四小へ“出張”

 沼津市庄司美術館(モンミュゼ沼津)の指定管理者のNPO法人「レザミ・デ・ザール」(菊地悠子理事長)が、地域の芸術家を小学校に派遣して空き教室にアトリエを構え、出前授業をする事業「ぬまづスクールミュージアム」を始めた。初回は同市の画家本田照男さん(77)が今月6~17日に同市の第四小で活動。25日から開く同館の企画展では、本田さんの“校内アトリエ”を再現する。

校内の空き教室にできたアトリエで、児童と一緒に創作する本田さん(奥中央)=沼津市の第四小
校内の空き教室にできたアトリエで、児童と一緒に創作する本田さん(奥中央)=沼津市の第四小
学校での創作活動中の本田さん(右)を囲む児童=沼津市の第四小
学校での創作活動中の本田さん(右)を囲む児童=沼津市の第四小
ワークショップで児童が描いた作品を見て回る本田さん=沼津市の第四小
ワークショップで児童が描いた作品を見て回る本田さん=沼津市の第四小
校内の空き教室にできたアトリエで、児童と一緒に創作する本田さん(奥中央)=沼津市の第四小
学校での創作活動中の本田さん(右)を囲む児童=沼津市の第四小
ワークショップで児童が描いた作品を見て回る本田さん=沼津市の第四小

 同館の展示は、地元芸術家の企画展が中心。事業は子どもが親しみやすい地域の芸術家と作品に直接触れ、関心を深めてほしいと企画した。初回は60歳から独学で絵を描き始め、焼き肉店主から画家に転身した本田さんに依頼した。
 16日には同校の2年生に授業を行った。「丸、三角、四角からどんどん描いていこう」と語りかけると、児童は50センチ角の帆布に描きだした。平賀健君(8)は「学校の授業ではしっかり考えて絵を描く。思いつくまま描くのも面白い」とフェルトペンを走らせた。飛田直和校長は「完成した絵は似た作品が一つもない。自然な子どもたちの心を引き出してくれた」と授業の効果を実感していた。
 2週間を振り返って本田さんは「子どもの純粋な気持ちを感じ、創作の原点に戻れた」と芸術家側にも意義があったと強調する。25日から12月23日まで開かれる「てるちゃんのアート展」は、一部で同校児童が考えた配置で展示する。
 菊地理事長は「学校の『図画工作』と、実際の『芸術』が本田さんを通してつながったのでは」と語り、子どもたちの表現方法が広がることを期待する。
 (東部総局・尾藤旭)

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