地域の指導者が“休日顧問” 沼津の中学部活動 5種目移行 実証事業

 沼津市は、中学校の部活動の地域移行に向けた「休日移行」の実証事業を始めた。休日移行では、休日の活動に顧問が帯同せず、地域の競技団体が派遣した指導者が生徒を指導する。第1弾として5種目(バレーボール、サッカー、陸上、ソフトテニス、卓球)を、来年1月末まで約10回実施する。

市バレーボール協会から派遣された教員の指導を受ける生徒=沼津市立片浜中
市バレーボール協会から派遣された教員の指導を受ける生徒=沼津市立片浜中


 指導に当たるのは、兼職兼業の許可を受けた教員。バレー競技専門の教員が不在だった片浜中男子バレーボール部では18日、市バレーボール協会から派遣された韮山高の柏木真治教諭が生徒16人に指導した。
 高校バレー部での顧問経験がある柏木教諭は「競技の専門的指導ができる教員は市内で少ない。少しでも育成の手伝いができれば」と引き受けた理由を話す。部長の種田翔太さん(2年)は「土日に来る先生のおかげで、ためになる練習ができるようになった。プレー中の雰囲気も変わった」と歓迎する。
 実証事業では、受け皿となる指導者や団体の把握、練習場所の管理や生徒の安全確保など、地域や競技ごとに異なる課題を確認する。実証を重ねた後、市内全校で休日移行を本格化し、最終的には平日も含めた移行を目指す。目標年度は本年度末に公表予定。
 教育企画課の担当者は「平日に指導できる人員確保など地域の理解と協力が不可欠。現状や変化を逐一周知していく」と説明した。
 (東部総局・菊地真生)

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