卓球「みうみま」対決、平野が制す パリ五輪懸け大一番

女子シングルス5位~8位決定戦初戦で伊藤美誠にストレート勝ちした平野美宇=大阪中央体育館
女子シングルス5位~8位決定戦初戦で伊藤美誠にストレート勝ちした平野美宇=大阪中央体育館
女子シングルス5位~8位決定戦初戦で平野美宇に敗れた伊藤美誠=大阪中央体育館
女子シングルス5位~8位決定戦初戦で平野美宇に敗れた伊藤美誠=大阪中央体育館
女子シングルス5位~8位決定戦初戦で伊藤美誠にストレート勝ちした平野美宇=大阪中央体育館
女子シングルス5位~8位決定戦初戦で平野美宇に敗れた伊藤美誠=大阪中央体育館

 卓球のパリ五輪シングルス代表選考対象大会、全農カップ大阪大会は25日、大阪市のAsueアリーナ大阪で開幕した。女子で選考ポイント2番手の平野美宇(木下グループ、沼津市出身)、24・5ポイント差で3番手の伊藤美誠(スターツ、磐田市出身)はいずれも準々決勝で敗退。5~8位決定戦の初戦で直接対決し、平野が4-0で伊藤を下した。

   ▶写真特集 詳細はこちら

 

 平野は1回戦を完勝したが、準々決勝は長崎美柚(木下グループ)にストレート負け。1回戦をフルゲームで勝ち上がった伊藤も準々決勝で張本美和(木下アカデミー)に2-4で競り負けた。

平野 伊藤にストレート勝ち

思わぬ形ながら、パリ五輪代表へ平野が大きな1勝を挙げた。選考ポイントを僅差で競う伊藤とそろって準々決勝で敗れ、5~8位決定戦の初戦で迎えた波乱の直接対決にストレート勝ち。24・5ポイント差に迫るライバルを、さらに10ポイント以上引き離した。
 勝負を分けたのは精神面。準々決勝は長崎に初めて敗れるショックを味わったが、1時間半で「負けたのにチャンスがある。決勝のつもりで臨んだ」と気持ちを立て直した。
 4ゲームとも序盤はリードされたが、伊藤が課題とするバックへのロングサーブを起点に中盤に連続得点。1本決めるたびに張り上げる声は「過去一で大きかった」という。試合後に「(張本との)準々決勝でやり切った。正直、戦いたくなかった」とこぼした伊藤を気迫で上回った。
 2年にわたる代表選考もいよいよ大詰め。東京五輪で逃したシングルス代表への思いは人一倍強い。「意識してしまうのが現実」と、ポイント差についてもあえて公言し、Tリーグも含め貪欲に積み上げてきた。26日の5~6位決定戦を終えれば、残すは年明けの全日本選手権だけだ。

伊藤 乗り切れず

パリ五輪選考の最終盤を迎えても乗り切れない。伊藤は準々決勝で急成長する15歳の張本に逆転負け。5~8位決定戦の初戦も平野の攻勢をはね返す力はなく、「頑張りたいのに頑張りきれない」と苦しい心境を吐露した。
 準々決勝は速い打点のフォアを軸にゲームカウント2-1と先行したが、そこから3ゲームを連取された。ほぼ決まった顔ぶれと2年にわたる選考会。相手に対策され「決まったと思った1本を、返されて勢いに乗られている」。平野戦は同点かリードした場面から5点以上の連続失点を4度も喫した。
 2022年春から続いた五輪レース。初の国内選考に戸惑い、「ぼろぼろになることの方が多かった」と気持ちをすり減らしてきた。ただ、まだ終わってはいない。平野とのポイント差は現状で34・5点。全日本選手権で最後の勝負に挑むためにも、26日の順位戦は負けられない。
 (運動部・山本一真)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞