日本庭園詠み 英詩 現代邦楽とマッチ 伊豆の国 知半庵で作品演奏

 伊豆の国市吉田の国登録有形文化財「知半庵」でこのほど、現代邦楽を楽しむ特別企画「日本の庭で」(知半庵アートプロジェクトなど主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が開かれた。日本の庭園を詠んだ英詩に曲を付けた邦楽作品を、声と邦楽器で演奏した。企画の一環で、演奏家が作品を完成させるまでのプロセスも公開された。

現代邦楽作品「日本の庭で」を演奏するきむらさん(左)ら=伊豆の国市の「知半庵」
現代邦楽作品「日本の庭で」を演奏するきむらさん(左)ら=伊豆の国市の「知半庵」


 ドイツ在住の詩人ケニー・フリースさんが日本の庭園を歩いて作った詩に、現代邦楽作曲家の高橋久美子さんが曲を付けた。完成した作品「日本の庭で」を、きむらみかさんら5人の演奏家が演じた。きむらさんは東京芸術大で声楽を学び、声や歌でさまざまな音楽を表現する活動を続ける。
 ケニーさんが詩を朗読し、題材となった庭園の映像が流された。きむらさんの声、演者の奏でる箏(こと)、尺八、三味線、能管の音が重なり合い、作品が作られていった。演奏の合間に、演奏家が作品への思いを語った。きむらさんは「果たしてこの詩が音楽になるのか、創作の過程を含めてじっくり楽しんでほしい」と呼びかけた。
 今回のプロジェクトは、作品を古い日本家屋で作り上げたいときむらさんらが提案し、管理する知半庵でアートプロジェクトを展開するあわやのぶこさんが趣旨に賛同して企画を立案した。
 (大仁支局・小西龍也)

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