静岡人インタビュー「この人」 生理をテーマにした放送作品の制作代表を務めた 戸田涼太さん(浜松市北区)

 今年の夏に行われた「第70回NHK杯全国高校放送コンテスト」のテレビドキュメント部門に浜松市立高(同市中区)放送部として「生理は、僕にはないけれど」と題した作品を出し、優良賞に選ばれた。9月下旬には、市と、市の委託を受けて生理用ナプキンのディスペンサーを市内の図書館などに設置した電機大手「シャープ」の担当者との座談会にも出席した。市立高3年。18歳。

戸田涼太さん
戸田涼太さん

 ―作品の内容は。
 「自分が生理について知識がなく、女子生徒に無神経な言葉をかけて傷つけてしまった反省から始まり、高校の生徒や生理について普及啓発する団体代表にインタビューした。生理用ナプキンをつけて勉強してみたり、県外の大学で生理痛を体験できる装置を試したりした」
 ―優良賞を受けての感想は。
 「たくさんの人に見てもらえた。生理については家庭でも学校でもなかなか話題に上ることはなく、問題が表に出てきにくい。作品が性別に関係なく話し合える社会づくりのきっかけになればいい」
 ―制作の苦労は。
 「作品のテーマとして生理を掲げた時点で、放送部の女子部員からは自分の知識がないことなどを理由に非難され、男子部員からも心配された。自分の理解が進むとともに部員たちからも信頼されるようになった」
 ―行政、企業担当者との座談会に出て感じたことは。
 「生理に関する機器を開発する企業の中でも声を上げるのをためらう場面があったり、女性職員が夜中に救急搬送された経験を話してくれたりと、社会人のリアルな体験を聞けた。社会に出てからも生理についての悩みや問題に理解を示せる人でありたいとあらためて思った」
 (浜松総局・松浦直希)

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