記者コラム「清流」 カツオの価値 再認識

 自分たちが過ごす町には名物名産がある。食べ物、風景、伝統技能…。ただ日常的に接しているといつしか当たり前になってしまう。その価値が判然としなくなり、いつしか発信することを忘れてしまう。「宝の持ち腐れ」になることを防ぐには、名物名産を客観視する機会を設けることだと思う。
 焼津で全国カツオまつりサミットが開かれた。初日の講演では、鹿児島県、宮崎県、宮城県、西伊豆町といった全国のカツオどころが現状への危機感を訴えた。少子高齢化に伴う担い手不足、魚食離れによる需要減。直面する課題の打開に向けて、どこの町もカツオの価値を見直し、外へ発信する取り組みをしていた。他県の事例を知る機会は貴重だった。かつ改めて「焼津のカツオ」が持つ価値を再認識できた。
(焼津支局・福田雄一)

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