ネット通販、22年度相談7457件 18年度比1.5倍 半数以上が40~60代

 2022年度に静岡県などに寄せられたインターネット通販に関する消費生活相談が7457件に上り、18年度の1・5倍に増加したことが28日までの県への取材で分かった。通販サイトやネット広告の不適正表示がきっかけでトラブルになる事例が多く、40~60代の被害が全体の半数以上を占めた。県はこれまで若年層や高齢者層の消費者教育に力を入れてきたが、中高年への啓発も強化し被害防止を図る。

デジタル関連の消費生活相談件数の推移
デジタル関連の消費生活相談件数の推移

 県県民生活課によると、22年度の消費生活相談2万6109件のうちネット通販関連は約3割を占めた。ネット広告関連の相談も3388件で18年度の約2倍、SNS関連も2074件と約3倍に増えた。
 相談内容は「『初回500円』で健康食品を申し込んだら定期購入の契約になっていて、5千円を請求された。解約しようと業者に電話したがつながらなかった」「SNSで有名デパートの閉店セールの広告を見てブランド品の財布を注文したが偽物だった」といったケースや、SNSで勧誘されて始めた投資、副業に関するトラブルが目立ったという。
 相談者を年代別にみると、ネット通販の59・6%、ネット広告の62・1%、SNSの57・2%がいずれも40~60代。
 県はこれまで、高校生や大学生、高齢者を対象にした出前講座などを通じてデジタル関連の被害防止を図ってきた。22年度に高校などで実施した出前講座は259回、消費者教育講師の研修受講者数は296人でともに県消費者基本計画の目標値をクリアした。しかし、消費生活相談をした1人あたりの平均既支払額は39万5千円で20年度より約20%増加し、計画目標値の28万円を大きく上回った。
 こうした現状に、同課の担当者は「ネット通販を多く利用する中高年世代への消費者教育を来年度から強化したい。同時にネット上の不当表示や不当取引の監視や事業者指導にも力を入れていきたい」と話した。
 (政治部・豊竹喬)

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