記者コラム「清流」 旅の学び

 休暇を利用してフランス・パリを旅した。学生だった5年前に訪れて以来の花の都。華やかな雰囲気はそのままで歩いているだけで楽しい街だが、変化を感じた面もある。
 例えば火災に見舞われたノートルダム大聖堂は改修が続いていて、美術館はコロナ禍の影響か事前予約を推奨しているようだった。店では来年に控えた五輪のグッズが販売されていた。なかでも印象的だったのは、電飾で彩られたクリスマスツリーの真横で、国旗を掲げてデモをしている人たちの姿だ。金曜日の夜に響く、息の合ったかけ声は切実だった。
 知っていたはずのことも実際に触れると一気に自分事になり理解も深まる。旅を通し、記者として多くの現場に足を運ぶべきだと改めて思った。地域の切実さを直に感じて発信したい。
(掛川支局・山本萌絵佳)

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