山車の構造は問題なし 伊豆の国市の横転事故 地元は行事継続望む
伊豆の国市田京の市道で秋祭りの山車が横転し、1人が死亡、18人が重軽傷を負った事故で、山車には転倒時にできたとみられる傷やゆがみがあったものの、山車の構造には問題がなかったことが1日までに、関係者への取材で分かった。事故は3日で発生から1カ月を迎える。地元などでは地域の文化や伝統の継承のため、地域行事や例大祭の引き続きの開催を望む声が多数挙がっている。
伊豆中央署などは11月14日、事故当時の山車の操作や故障の有無などを調べるため、同署で事故車体の検証を行った。業務上過失致死傷容疑を視野に全容解明を急いでいるが、関係者が多数いることや事故の瞬間を記録した映像がないとみられることなどから、捜査には一定の期間がかかるとみられる。
地元では地域行事開催へ強い思いがある。秋祭りが行われていた広瀬神社の西島善正宮司は「事故の原因をしっかり調べて方法を改善してもらい、また明るく楽しい祭りにしていきたい」と話した。同市の山下正行市長は11月20日の定例記者会見で「再発防止策をしっかりまとめ、今後、例大祭が実行されることを願っている」と述べた。
隣の伊豆市でも同様の考えが広がる。市職員は「地元の伝統や文化を途切れさせることのないようにしたい」と強調する。その上で、安全に開催できるよう今後区長会などで呼びかけるという。
(大仁支局・小西龍也)