記者コラム「清流」 引き継がれる“思い出”

 昔ながらの黒や赤だけでなく、水色やピンク、茶色など、所狭しと並んだ色とりどりのランドセル。磐田ライオンズクラブが初開催した不要ランドセルのプレゼント会では、目を輝かせてお気に入りを探す子どもたちがほほ笑ましかった。
 小学校を卒業した子どもからランドセルを集め、来年度の新入学児童らに贈る取り組み。卒業後は全く使わなくなるのに、捨てるに忍びない。そんなランドセルに“第二の人生”を与えた。最近はランドセルカバーを使う児童が多いからか、どれもきれいな状態だった。
 わが子や孫に新品を贈りたい気持ちも分かる。一方で、思い出の品を“後輩”に託す習慣もあっていい。選び抜いたランドセルを大事そうに抱える子どもを見て、きっとまた6年間、大切に使われると確信した。
(磐田支局・八木敬介)

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