初詣客守れ テロ対策訓練 富士宮の浅間大社 警察、消防と連携し初

 富士宮市の富士山本宮浅間大社と富士宮署、市消防本部は5日、同大社で初めてテロ対策訓練を実施した。本殿前で参拝者に硫化水素がまかれた想定で避難誘導と除染、犯人逮捕の流れを確認し、初詣の大混雑を前に連携を強化した。

防護服を着て負傷者救出と薬品回収にあたる消防隊員=富士宮市の富士山本宮浅間大社
防護服を着て負傷者救出と薬品回収にあたる消防隊員=富士宮市の富士山本宮浅間大社

 訓練は液体の入ったポリタンクを持った男が境内に入って始まった。参拝者2人が液体を浴びて倒れ、周囲の人々が体調不良を訴えると、神社職員が警察と消防に通報した。危険物の詳細が不明のため、他の参拝者が一帯に近づかないように誘導した。
 消防は散布現場から離れた祈祷殿前に救護所を開設。防護服を着た隊員が近づいて薬品を硫化水素と特定し、負傷者を運び出して除染した。警察は犯人の特徴を神社職員に聞き取って境内を捜索した。様子を見に戻っていた男を取り押さえた。
 年末年始以外にも行事で大勢の参拝者が集まる浅間大社での訓練は初めて。同署の岡嶋聖警備課長は「警察と消防が到着するまでに大勢の参拝者をどう避難させるか、想定を神社と共有していきたい」と話した。
 (富士宮支局・国本啓志郎)

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