静岡人インタビュー「この人」 中山間地域でスマートフォン普及に取り組む 笹本純一さん(浜松市南区)

 中山間地域の浜松市天竜区水窪町を拠点にスマートフォンの普及事業を進めている。高齢者を中心に、スマホの便利な使い方を提案する。デジタルで山あいの暮らしを快適にする取り組みが評価され、市民の幸福度向上に貢献した人に贈られる浜松市の「はままつWell―Beingアワード2023」のデザイン賞を本年度受賞した。37歳。

笹本純一さん
笹本純一さん

 ―事業のきっかけは。
 「スマホのビデオ通話機能を生かした買い物支援の試験事業をニュースで知り、その現場である水窪に興味を持った。買い物支援をするNPO法人の担当者に連絡を取り、実際に訪れてみたらとてもいい町だった。自然豊かで住んでいる人の人柄もよかった」
 ―事業の手応えは。
 「起業して1年以上たつが、これからも事業を長く続けていかないといけないと考えている。スマホのサービスや機能は日々更新されている。LINE(ライン)とヤフーが連携し、アプリの仕様が変わるといった急な変化はまたいつか起こる。スマホを安定して使えるようサポートし続けていきたい」
 ―中山間地域で生かせるスマホの役割は。
 「普段の生活はもちろん、災害時の連絡で役に立つ。最近はキャッシュレス決済を使える人が増えた。今後はオンラインショッピングの使い方を教えて、山あいで買えない商品を調達するサポートに力を入れたい」
 ―新たに挑戦したいことは。
 「中山間地域で何かやりたいと考えている人に、起業の方法をアドバイスしたい。自分の事業を参考にできればと考えている。これから起業にトライする人がこの場所で増えていくと面白くなると思う」
 (水窪支局・大沢諒)

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